デザイナーが語るvol.2/人気シリーズ「ジータ」ができるまで

デザイナーが語るvol.2/人気シリーズ「ジータ」ができるまで

発売から長く愛され、多くの方に選ばれ続けている「ジータ」。
その人気の裏には、素材選びからデザイン、機能性まで、たくさんの試行錯誤とものづくりへのこだわりがありました。
シリーズを手がけたデザイナーに、ジータが誕生するまでを振り返ってもらいました。
ジータ誕生の背景

ジータ誕生の背景

2018年当時、新作発表に向けて、「バサラの定番になる、軽量のトラベルシリーズを作ろう」というコンセプトで商品を考えていました。

そこで着目したのが、以前の企画チームで試作していた日本製の生地です。それは、凹凸のあるドット柄がとても新鮮で、軽くてさらに撥水加工がプラスできるものでした。

コンセプトにもぴったりだったことから、この生地を主役にしたシリーズづくりがスタートしました。


生地誕生のきっかけ


生地誕生のきっかけ
メーカーさんとの商談の中で、この生地は本来水玉柄の凸面を表として使うもので、加工した部分が変色する性質がある事が分かりました。
でも「裏側って色が均一できれいだよね」「裏を表にしたら問題ある?」というやり取りになって...「じゃあ私たちは裏側を表として使いたい!」ということになりました。 

こういうアイデアって、生地を作っている方と直接話せたからこそ生まれたものだと思うんです。
もし間に誰かを挟んでいたら、「色が変わるのは素材の特性なので仕方ないですね」で終わっていたかもしれない。でも実際に作り手の方と話をしていたからこそ、この発想につながりました。

工場での生産過程についてードット柄

「無地の生地に丸い模様をプレスしているのかな?」と思われる方も多いのですが、実際には、ドットのない部分に薬剤を乗せて、熱をかける工程を通すことで、その部分だけ生地が縮んで、ドットがふわっと浮き出てくるんです。

実はこのドットも最初からきれいな丸にはならず、はじめは桜の花びらのような形になってしまうこともあり、「もっと丸くできませんか?」と改良を重ねてもらいました。そうして試行錯誤を繰り返し、ようやく今のきれいなドット柄にたどり着きました。

工場での生産過程についてー色づくり

色味についても何度も試作を重ねました。
はじめに手のひらサイズほどの生地を、ビーカーのような小さな容器で試験的に染めるんです。染料はコンピューターで細かく配合を管理していて、「黄色を何%、青を何%」というようなデータをもとに色を作っていきます。その配合データは記録されるので、数年後でも同じレシピで近い色を再現することができます。

試作では配合を少しずつ変えたサンプルを何種類か作ってもらい、「この色が一番近いけれど、もう少し明るく」「黄色を少し足したい」といったやり取りを重ねながら、理想の色に近づけていきます。
正直、「同じような色じゃないですか」と言われることもあるんですが、その微妙な違いがブランドの“らしさ”につながるということを伝えるのが大切だと思うんです。

人気デザイン ショルダーバッグの登場

ショルダーバッグ(大)1414817
シリーズがお客様から少しずつ支持されるようになると、目を引くデザイン性だけでなく、「もっとお客様に喜んでもらえる商品をつくろう」「ブランドを支える定番商品に育てよう」という考えが強くなりました。そして、そんな想いから生まれたのが、人気アイテムとなったショルダーバッグ(1414817)です。

以前、他ブランドを担当した際に、スタンダードなショルダーバッグを製作したことがあり、その時に培ったノウハウも生かして、デザインしていきました。さらに店頭で販売してくれる販売スタッフや営業から、「ここにポケットがあったらいいのにな」などたくさん要望をもらい、今の形へとブラッシュアップしていきました。

本来であれば、機能を増やすほどコストも上がってしまうのですが、すでにロングセラーとして支持されていたシリーズだったこともあり、メーカーさんにも協力していただき、価格を抑えながら機能面にも満足のいく商品に仕上げることができました。

営業スタッフや販売スタッフ、工場の皆さんなど、本当にたくさんの人の協力のもと、今の「ジータ」シリーズが完成していったと感じています。


デザイナー イチオシの形

2wayバッグ 1414812
試行錯誤しながら作ったので、2番(1414812・2wayバッグ)は思い入れがあります。ドット柄の生地を主役にしたかったので、装飾は抑えて、正面はシンプルなデザインを目指しました。

中でもこだわったのが、丸手のハンドルを生地に縫い込んだデザインです。本来であれば、難易度が高く、実現が難しい仕様でした。ですが当時、社内のバッグスタジオでサンプル製作を担当してくれた職人さんが、デザインを見事に形にしてくれたんです。実際にサンプルが完成すると、「すごくかわいい!」と思って(笑)。

最初からメーカーさんにサンプルを依頼していたら、「この仕様は難しいので、やめましょう」と言われていたかもしれません。でも、一度理想のサンプルができてしまったからこそ、「多少難しいと言われても、このデザインは譲れない」という気持ちで、生産をお願いしました。そして、今ではジータシリーズのアイコンとなるデザインになっています。
《生地に縫いこんだハンドル》と《軽さにこだわったパーツ》
この他にもこだわった部分があります。
軽量シリーズにするために、金具類のほとんどをプラスチックのパーツに変更しました。そしてファスナーには、軽く滑りの良いビスロンファスナーを採用しました。今ではどのブランドも当たり前のように使われていますが、バサラではいち早く取り入れました。

また、従来の引手は革製の平たいものが多かったですが、指を引っかけるリングタイプのパーツを採用。ネイルをしていても掴みやすく、軽い力で開閉できるように考えました。

リフレクターチャームも含めて、デザイン性だけでなく、使いやすさと使う人を考える中で生まれたアイデアです。

パーツ選びや、革との配色などにもブランドらしさを表現。

すぐに売れた商品ではなかった

実は、最初からすぐに売れた商品ではなかったんです。少しずつお客様に選ばれるようになり、時間をかけてシリーズが育っていきました。

大きな転機になったのは、コロナ禍が明けて旅行需要が高まった頃です。国内旅行を楽しむ方が増え、ボストンバッグの人気が一気に高まりました。想像以上の反響で、生地づくりが追いつかないほどだったんですよ。

軽くて撥水性があり、旅行にも普段使いにも使いやすいこと。そして、シンプルなドット柄や配色も、多くの方に気に入っていただけた理由だと思っています。

試行錯誤を重ねてつくり上げたシリーズだからこそ、長く愛される定番になったことが何よりうれしいですね。

BASARA TYOジータ アイテム一覧

2wayバッグ
¥13,200
リュック
¥14,850
ボストンバッグ
¥17,600
ミニショルダーバッグ
¥9,900
ショルダーバッグ(大)
¥13,750
ショルダーバッグ(薄マチ)
¥12,650
ショルダーバッグ(小)
¥13,200
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デザイナーが語る、ブランドに込めた想い